火から始まり、人間はたくさんのインベンション(発明)を行ってきました。
その中でも世界や生活に大きな変化をもたらした18の発明とその歴史をとっても楽しく見ごたえのある 仕掛けを使って表現したポップアップタイプの絵本。
昔のひとってすごいなあ
自分も何かしたい!
そんな気持ちにさせてくれる楽しい1冊。
読んでいて改めてそうなんだ!
と思わされる発明もあったり、大人もきっとわくわくします◎
お誕生日や記念日にいかがでしょう?
パッと目を引くカラフルでポップな色使いがとてもナイスです。
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翻訳者からのメッセージ
未来を発明しよう! 『INVENTIONS』という絵本の翻訳をやってみませんか?
とアノニマスタジオから突然リクエストをいただいた時に、直感的に「やりたい!」と思ったのはなぜだろうかと、ずっと作業を進めながら考えていました。
その答えは、編集者の村上さんから、タイトルをどうしましょうか?と尋ねられた時に、「あっ!」と気がつきました。
それは、僕がボストンに留学していた時に聞いた衝撃的な言葉だったのです。
「未来を予測する最善の方法は、未来を発明することだ(The best way to predict the future is to invent it! )」
というアラン・ケイ(Alan Key)の言葉だったのです。
彼は、パーソナルコンピュータの父とも呼ばれ、iPadが登場する45年も前(1972年)に、こどもたちが、芝生の上でタブレットを使って、友達と会話をしている風景をすでに描いていたのです。
僕がこの言葉に感激したのは、誰かが何かを発明してくれるのを待っているよりも、欲しいものは自分で作っちゃえばいい、と思ったからでした。
この気持ちは、今でもずっと心の中に生きています。
21世紀型のスキルや、未来を開拓していくための能力(コンピテンシー)が必要だと叫ばれている現代の教育にとって一番大切なことは、Inventive Mind(発明したい心)、つまり、まだ誰も見たことのないモノやコトを構想し、実際に行動してみるというマインドセット(心の姿勢)ではないでしょうか。
「僕にも発明できるよ、世界を変えてみたいんだ!」
と思う気持ちやチャレンジ精神を大切に育んでいきたいと思っています。
タイトルの件で、デザインを担当してくださっている吉村さんの事務所にお伺いした時、スイス在住のデザイナー/絵本作家の葵・フーバーさんにお会いしました。
その時に、彼女はイタリア語のインベンチオーネ、一緒に発明しよう、という言葉の響きが好きだとおっしゃっていました。
今回の翻訳作業は、多くの方とのコラボレーションで実現したもので、まさにフランスの若きアーティストAxelle Doppeltのさんの絵本を協同で再発明したものだと言えます。
こどもたちだけではなく、すべての発明マインドを持った年齢の方々に読んでいただきたい絵本です。
ーーウエダノブユキ
著者略歴 アクセル・ドッペルト パリ在住のグラフィックデザイナー。
美術学校での卒業制作が注目され、2016 年に本書「Inventions」がフランスで発売された。
上田信行(うえだ・のぶゆき)
1950年、奈良県生まれ。
同志社女子大学現代社会学部現代こども学科特任教授、ネオミュージアム館長。
同志社大学卒業後、『セサミストリート』に触発され渡米し、セントラルミシガン大学大学院にて M.A.、ハーバード大学教育大学院にて Ed.M., Ed.D. (教育学博士)取得。専門は教育工学。
プレイフル・ラーニングをキーワードに、学習環境デザインとラーニング・アートの先進的かつ独創的な学びの場づくりを数多く実施。
1996~1997 ハーバード大学教育大学院客員研究員、2010~2011 MITメディアラボ客員教授。 著書に『プレイフル・シンキング:仕事を楽しくする思考法』(2009, 宣伝会議)、『プレイフル・ラーニング:ワークショップの源流と学びの未来』(2013, 共著、三省堂)、『協同と表現のワークショップ:学びのための環境のデザイン』 (2010, 共編著、東信堂)など。